お仕事インタビュー 岩澤奈穂さん

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待ち合わせ場所にその人が入ってきた瞬間、薄暗い照明の室内がパッと明るくなったように思えました。骨格スタイルアドバイザー、カラーアドバイザーとして奈良を中心に活動する岩澤奈穂さん。周囲の目を引く華やかさと、ふんわりと優しい口調が特徴です。自宅サロン「Tasting Life」に拠点を置きながらも、同行ショッピングや各種セミナーなど活動の幅を広げている奈穂さんにお話を伺いました。

–今のようなスタイルでお仕事を始めたのは、いつ頃からですか?

カラーアドバイザーは結婚してから学んだので17年、骨格スタイルアドバイザーになったのは4年前でしょうか。結婚して子どもが生まれるまでの間にカラーの資格は取ったのですが、それからもスカーフやストールのコーディネートの講座など常にファッションに関わることを学んできました。やはり、色見本のようなファッションだけだと面白くないですし、時代にも合わせていかなければいけない。骨格スタイルアドバイスで行っているような、小物使いでファッションにその人らしさを表すようなアドバイスをしていきたいと考えています。

–奈穂さんのコンサルや講座は、「こうでなければならない」というのではなく、自分が持っている小物や洋服を自分らしく組み合わせて、より魅力的に見せることができると好評ですね。ファッションを選んだのには、きっかけがあるんですか?

元々、祖母がおしゃれで97歳で亡くなるまで指輪をつけたり、私がプレゼントしたスカーフをつけていたり、車椅子になってもそういった気遣いを忘れない人でした。母もまた自由な発想でおしゃれを楽しんでいましたし、叔母は洋裁の先生で布地やデザインにこだわりがあり、生徒さんたちにも合うものをきちんと丁寧に教えていました。一番身近な人たちが生活の一部として常にファッションを楽しんでいて、「なんかいいな!」と子どものながらに感じていたんだと思います。
私もまた、幼い頃から宝石屋さんの新聞折込のチラシを切り取って集めたり、『ベルサイユのばら』のおまけが付いたお菓子にはまったり……。着飾ることも好きで、制服であっても帰り道にリボンをつけたりしている、そんな女の子でした。

結婚した時に考えたのは、私にとって家庭が基本であるということ。身体が疲れやすくてフルタイムで働くということも、あまり考えられませんでした。そんな頃、子どもが幼稚園に入り、保護者間でイベントの時に何を着たらいいのか分からないと話題になることが多々ありました。

また、「いつもオシャレにストール巻いてるね。教えて」と言われたり、アクセサリーの作り方を教えたりする機会をいただいたりしているうちに、自分も楽しんで人も喜んでもらえるような仕事をしたい、カラーアドバイザーの仕事ももっと生かせるんじゃないかと思うようになりました。

–なるほど。アドバイスというと、どうしても「上から目線」になりがちですが、奈穂さんは仕事のスタートがそういった幼稚園のママ友ということもあって、目線が同じで安心してお任せすることができるんですね。今では、自宅やイベント会場などで講座やコンサルをたくさんされていますが、やりがいはどんな時に感じられますか?

講座やコンサルは、自分の言ったことに対する相手の反応がダイレクトに見られます。相手の心を掴んだ瞬間もリアルに感じられますし、ライブ感がたまりません。皆さんの笑顔を引き出せた瞬間やアンケートで非常に良かったと付けてくださったときなどは、素直に嬉しいです。

–最近の女性のファッションはいかがですか?

新しいものを買うんだったら、似合うものを選んだ方が断然楽しくなります。
私もそうですが、体型のことでコンプレックスをお持ちの方は多いと感じています。けれど、自分が気にしているから、そこばかりに意識が行って隠したいという心理が働いてしまうのです。周りから見れば、全然気にならないということも多いです。隠そうとするのではなく、きれいに見せてくれるラインや素材の洋服、小物を選んで似合わせることでスタイルアップして見せることだってできます。

むしろコンプレックスだと思っていたけれど、それを個性として認めることで外側のおしゃれだけじゃなくて、内側からの自信が出てくることがあります。自信があれば、振る舞い方にも余裕が生まれて、「素敵! 似合うね!」と周囲から褒められることも自然と増えてくるはずです。
褒められるのは、誰もが嬉しいですよね。そんな風にファッションを通してハッピーな気持ちになっていただければ、私も嬉しい。そんな方が増えてくれたらなと思っています。

–なるほど。最後に今後、どのようなアドバイザーを目指していきたいですか?

持っておられる雰囲気やライフスタイルに合わせて「その人らしさ」を引き出すアドバイス、つまり個性が輝くファッションのご提案をしていいたいですね。そしてお客様が「自分の似合う軸」をベースに洋服選びができるようになっていただき、また必要なときには気軽に頼っていただける関係性を続けていけるのが理想です。洋服選びのことだったら、安心して任せたいと思っていただけるように私自身もアンテナを張り巡らし、新しい情報は取り入れて学び続けること、そして常に進化していきたいと思っています。

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